弁護士ブログ

2022.05.25更新

山口県阿武町が、4630万円を間違って町民に送金したあと、その町民が返金を拒否した事件で、田口容疑者が逮捕されました。

今朝のニュースはどこもこの話題で持ちきりでした。

田口容疑者は、お金を返さないだけで、なぜ逮捕されてしまったのでしょうか?

 

 

通常、何らかの行為をしなければ、犯罪は成立しません。(例外的に保護責任者遺棄罪など例外的に不作為で犯罪が成立する場合もあります)

 

ですので、単に田口容疑者の口座に4630万円が振り込まれて、田口容疑者が何もしていないのでしたら、犯罪は成立しません。

 

今回の場合、田口容疑者は誤送金された4630万円をオンラインカジノで使用したと供述していますので、おそらく銀行窓口かネットバンキングで4630万円を出金したものと考えられます。

 

田口容疑者が4630万円を銀行窓口で出金していた場合、田口容疑者は銀行員に対し、自分のお金を出金すると偽って出金したのですから、その出金行為が銀行に対する詐欺罪に該当します。

(ややこしい話ですが、田口容疑者に4630万円を支払ったのは銀行ですので、阿武町ではなく銀行が被害者となります)

 

田口容疑者がネットバンキングで4630万円を出金していた場合、その出金行為が銀行に対する電子計算機使用詐欺罪に該当します。

今回の件では、電子計算機使用詐欺罪で逮捕されていますので、ネットバンキングから出金がなされたのだと思います。

 

 

阿武町の代理人弁護士が既に4000万円以上を差押えて回収したと報道されています。

私も弁護士として何度も差押えをしたことがありますが、財産を持っていない人に対する差押えはとても難しいです。

事情はよく存じ上げませんが、阿武町の代理人弁護士はとても優秀な方なのだと思います。

 

誤送金した4630万円は阿武町の予算の5%程度とのことで、そのような大金をきちんと回収できて本当に良かったと思います。

投稿者: 弁護士 天野広太郎

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