弁護士ブログ

2019.07.20更新

 今年の夏はあまり暑くなく、とても快適に過ごしています。熱中症のニュースが出ていないのは、とても良いことだと思います。



 最近、携帯電話を操作しながら運転して、交通事故を起こすケースが問題になっています。


 このように運転とは関係のない行為をしながら運転することを「ながら運転」といいます。

 

 令和元年5月28日、道路交通法が改正され、「ながら運転」も処罰されるようになりました。

 

 運転中に携帯電話を操作するなど「ながら運転」をした場合は、6月以下の懲役または10万円以下の罰金、「ながら運転」をして交通の危険を生じさせた場合は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるようになります。


 令和元年12月1日までに、この罰則が適用されるようになるとのことです。



 また、「ながら運転」の行政罰も厳罰化され、携帯電話使用の違反点数は3点、反則金1万8000円(普通車の場合)となります。そして、携帯電話使用により交通の危険を生じさせた場合の違反点数は6点となります。

 

 こちらも令和元年12月1日までに、この違反点数、反則金が適用されるようになるとのことです。

 

 

 交通事故を起こしてしまった場合、加害者は3つの責任を取らなければならない可能性があります。


 一つは、被害者の通院費、慰謝料など民事上の損害賠償責任です。
 二つ目は、上で述べた懲役、罰金の刑事罰です。
 三つめは、上で述べた違反点数、反則金の行政罰です。


 「ながら運転」をすると、大きなペナルティーを科される可能性がありますので、絶対にしないよう心がけましょう!

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2019.06.06更新

 暑い日が続いておりますが、皆様体調を崩されていないでしょうか。


 私は、仕事で外出するとき以外、なるべく外に出ないようにして対策しております。

 

 近頃、高齢者の交通事故が問題となっています。運転者がわざと起こしたわけではなくても、被害者の生命を奪ってしまう交通事故は何とかして防がなくてはなりません。


 そのような交通事故を防ぐためには、高齢者から運転免許証を取り上げてしまう方法が考えられますが、運転免許証を取り上げることは憲法上許されるでしょうか。以下、私見を述べさせていただきます。

 



 憲法上、国民には移動の自由が保障されています(憲法13条、22条参照)。そして、人は自由に移動した場所で様々な体験をすることで、人間的に大きく成長できるため、移動の自由はとても重要な権利といえます。


 高齢者の中には、長距離の徒歩移動が困難であったり、公共交通機関のない場所に居住されている方も多くおられます。


 高齢者の方から運転免許証を取り上げることは、高齢者の移動の自由を制約することになります。

 



 他方で、憲法上の権利(移動の自由を含む)には、「公共の福祉による制約」が課されています。「公共の福祉による制約」とは、自己の権利は、他者の権利を侵害しない範囲で認められるに過ぎず、他者の権利を侵害するのであれば、その権利を制約することも許されるという意味です。


 したがいまして、高齢者が運転をすることで他者の権利(生命・身体等)を侵害するのであれば、高齢者の運転を制約することも許されます。


 例えば、道路標識の意味が理解できていない高齢者や反射神経が鈍り歩行者の飛び出しに反応できないような高齢者からは、免許証を取り上げてもよいのではないかと考えます。


 問題はそのような運転能力の欠如をどうやって判定するかです。免許更新時にきちんと長時間かけて路上での実技検査を行う、免許の更新期間を1年に短縮するなどの対応策が必要だと思います。


 殺人事件であっても交通死亡事故であっても、人の命を奪ってしまう点ではまったく同じです。逆走事故を行うような明らかな運転不適格者は運転できないよう、早期に対策すべきだと思います。

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2019.05.12更新

 今日、福岡は夏日になるようです。皆様、熱中症にお気を付けください。

 

 ニュースなど見ていると、逮捕された方々は「○○容疑者」という名称で呼ばれることが多いです。

 

 そして、容疑者に似た言葉で「被疑者」という言葉があります。

 

 容疑者と被疑者はどう違うでしょうか?

 

 

 刑事訴訟法という刑事裁判に関するルールが定められている法律では、公訴提起される前の犯罪の嫌疑がある者を「被疑者」と呼んでいます(刑事訴訟法37条の2等)。


 なお、取り調べが完了して公訴提起された者を「被告人」と呼んでいます(同法60条等)。


 そして、刑事訴訟法には「容疑者」という用語が全く出てきません。


 「容疑者」という用語はマスコミ報道で使われることが多く、「被害者」と「被疑者」の音が似ていて聞き手が混同しやすいことから、「容疑者」という呼び名を使用しているそうです。


 先日、GW休暇がありましたが、GW休暇は警察署等で身体拘束されている被疑者、被告人には全く関係がありません。GW休暇中も身体拘束や捜査は続きます。


 そのため、刑事弁護人も、長期休暇中に被害者との示談交渉や被疑者、被告人との面会(「接見」といいます)を行う必要があり、その点で、刑事事件は民事事件より大変かもしれません。


 ただ、私個人としては、スピーディーな対応を求められる刑事事件は好きな部類に入ります。

 

 


 逮捕、勾留されて長期の身体拘束を受けると、人生そのものが大きく狂ってしまう可能性があります。私はそのような方々を多く見てきました。


 皆様には、犯罪とは関わりのない健全な人生を歩んでいただければと思います。

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2019.05.10更新

 長かったGWが終わり、少しずつ暖かくなってきました。

 

 皆様はGW十分に楽しまれたでしょうか?

 

 私は、GW10日間のうち3日ほど仕事をして、残りはなるべく人の多いところを避けてゆっくりしていました。

 

 

 

 私は、テレビドラマを毎クール1~2つ程度視聴するのですが、4月からは「私定時で帰ります」を観ています。

 

 いつもは「リーガルハイ」「99.9」などの弁護士ものを観ることが多いです。

 

 私は社会人になってからずっと法律事務所で働いていますので、企業勤めの方々が実際に勤務されているところを見る機会がほとんどありません。

 

 司法修習中に裁判所や検察庁の方々の仕事は見させていただきましたが・・。

 

 

 「私定時で帰ります」を観ることで、現在の労使関係の問題点を学べればいいなと思いながら、毎回観ています。(単純にお話としても面白いです。向井理がとてもかっこいいですね!)

 


 現在日本では「働き方改革」が行われていますので、労働法の改正についてきちんと勉強していきたいと思います。

 

カメ

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2019.03.11更新

 年々花粉症がひどくなっている気がします・・。皆様は大丈夫でしょうか。


 先日、最高裁にて、離婚に伴う慰謝料に関する(法曹界では)注目の判決がなされました(平成31年2月19日 最高裁判所第三小法廷判決 平成29年(受)第1456号)。



 問題となった事案は、「平成21年6月頃、夫がAと不貞行為に及ぶ→平成22年5月、妻が夫とAの不貞関係を知り、夫とAは不貞関係を解消→平成26年4月頃、長女が大学進学したのを機に夫婦は別居→平成27年2月、夫婦の離婚が成立→その後、妻が不貞相手Aに対して、慰謝料請求を行った」というものです。


 妻の不貞相手Aに対する慰謝料請求は認められるでしょうか。


 この事案について最高裁は、「夫婦の一方は、他方と不貞行為に及んだ第三者に対し、特段の事情がない限り、離婚に伴う慰謝料請求をすることができない。」と判示しました。


 そして、不貞に及んだ第三者に対して離婚に伴う慰謝料請求をなしうる「特段の事情」は、「当該第三者が、単に夫婦の一方との間で不貞行為に及ぶにとどまらず、当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめると評価すべき」場合に限って認められると判示しています。


 この判決で示された「特段の事情」の範囲はかなり狭く、不貞相手に「離婚に伴う」慰謝料を請求することのハードルが上がったように感じられます(あくまで私見です)。

 



 なお、同判決は「離婚に伴う」慰謝料について述べたものであり、妻の不貞に及んだ第三者に対する「不貞」慰謝料の請求を妨げるものではありません。


 ただし、不貞慰謝料の根拠となる不法行為に基づく損害賠償請求権には請求期間の制限があり、「被害者が損害及び加害者を知った時から3年間」のうち権利行使しないときは時効によって消滅します(民法724条)。


 上記の事案の場合、妻が不貞を知ってから3年以上が経過していますので、妻の不貞に及んだ第三者に対する「不貞」慰謝料請求権は、既に時効消滅している可能性があります。



 上記判決も踏まえまして、不貞に及んだ第三者に対しては、速やかに慰謝料請求を行うのが得策だと思います。


 不貞問題でお悩みでしたら、いつでもご相談ください。

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2019.03.05更新

 今年は花粉の飛散量がとても多いようで、私も花粉症に苦しんでいます(特に早朝です)。加湿したり鼻うがいをするなどして、何とか集中力を切らさず仕事をしております。



 交通事故に遭った被害者様の中には、しばらく休業を余儀なくされる方々も多くおられます。そのような方々は、毎月の生活費をどうしたらよいのだろうか?と不安に思われるのが通常です。毎月の生活費はだれに対して請求することが可能でしょうか。


 まず、交通事故が労働災害である場合、労災補償を受けられる可能性があります。交通事故が労働災害でなくても、有休を取得すれば、有休期間中の給与を受けることは可能です。


 また、交通事故の加害者(又は加害者の加入する自動車損害保険会社)に対して、休業損害の支払いを請求することができます。毎月の生活費に窮するようであれば、加害者の加入する保険会社に対し、毎月給与相当額を内払金として支払うよう交渉していく方法もあります。


 加害者が無資力な上に保険未加入であると、被害者がだれからも損害の補填を受けられない危険があります。運転技術に自信があったとしても自動車を運転する以上は、「被害者のため」に任意保険に加入すべきだと私は思います。

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2018.12.03更新

 12月に入りまして、2018年も終わりが近づいてまいりました。今年は事務所の移転など色々と変化があり、良い一年だったのではないかと思っています。仕事納めの12月27日までしっかりと頑張ります。


 相続問題のご相談において、「遺言書を残したいのですが、どのようにすればよいですか?」と質問を受けることがあります。このとき、私は公正証書遺言を作成することをお勧めしています。

 

 「公正証書遺言」(民法969条)とは、公証役場で公証人及び証人2名が立会いのもと作成する遺言です。

 

 公証役場は日本各地にあり、福岡市内には中央区(福岡公証役場)と博多区(博多公証役場)の2か所に設置されています。

 

 公正証書遺言を作成するメリットとしては、


①遺言書の有効性が認められやすいこと(公証人及び証人が立会いのもとで作成された公正証書遺言の有効性を覆すことはかなり難しいです)


②「検認」(民法1004条)の手続きが不要となること
などが挙げられます。

 

 「検認」とは、遺言書の保管者が被相続人の死亡後に家庭裁判所へ遺言書を提出して、遺言書が有効であることを確認する手続きのことです。

 自筆遺言書を作成した場合、原則として検認の手続きを行う必要がありますが、公正証書遺言であれば検認の手続きを行う必要がありません(民法1004条1項、同2項)。


 自筆遺言書に検認手続きが必要なことを知らない方は多いです。これを機に覚えておいていただくと役に立つと思います。


 また、遺言書の検認をせずに家庭裁判所以外で開封した者は、5万円以下の過料に処するという規定もありますので、くれぐれもお気を付けください(民法1005条)。


 これは余談ですが、法律関係者は、遺言書のことを「いごんしょ」と呼びます。また、競売のことを「けいばい」と呼んだりします。(なぜそのように呼ぶのか私にはわかりません。)

 相続についてお悩みの方は、いつでもお気軽にご相談ください。

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2018.11.05更新

 日が暮れるのが早くなり、寒くなってきました。自宅ではコタツを出して、冬の準備を始めています。


 私が受任する事件の中では、自己破産案件の占める割合が結構高いのですが、自己破産には同時廃止となるもの、異時廃止となり管財事件となるものがあります。その2つの違いについて、皆さまはご存知でしょうか。


 「同時廃止」というものは、裁判所の定める同時廃止基準(資産が一定基準に満たないこと、財産隠しなどの免責不許可事由がないこと等)を満たす場合、破産管財人の調査を受けずに免責決定を行う手続きです。ただし、債権者には意見申述の機会が与えられますので、債権者は申立人に免責不許可事由があること等を主張することが可能です。


 同時廃止とならなかった自己破産申立ては異時廃止となり破産管財人による調査などが行われます。「破産管財人」とは、申立人に資産はないか、免責不許可事由はないかなどを調査する人のことで、通常、裁判所が選任した弁護士が就きます。もし、破産管財人の調査によって申立人の資産が判明した場合、その資産は債権者への配当などに回されます。


 裁判所費用について、同時廃止であれば数万円程度で済むことが多いですが、管財事件になった場合、管財人報酬として最低でも「20万円」を支払う必要が出てきます。したがって、自己破産が同時廃止となるか管財事件となるかは、費用の面でも大きな違いがあります。


 借金が増えた経緯や(公的扶助や保険なども含めて)どのような資産があるかは、債務者によって様々です。その方々に適した解決方法を提案したいと考えておりますので、借金の返済にお困りの方は一度ご相談下さい。

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2018.10.17更新

 先日、犯人隠避教唆の疑いで横浜市在住の弁護士が逮捕されたことがニュースになりました。


 ニュースではあまり聞きなれない罪名だと思いますが、犯人隠避教唆とはどのような犯罪なのでしょうか。


 犯人隠避教唆は、犯人隠避罪(刑法103条)の教唆(刑法61条)を行った場合に成立します。


 犯人隠避罪(刑法103条)とは、罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を隠避した者に成立する犯罪です。

 

 「隠避」とは、隠れ場所を提供する以外の方法で、犯人・逃走者の発見または逮捕を妨げることです。隠れ場所を提供する方法で犯人・逃走者の発見または逮捕を妨げた場合、犯人蔵匿罪(刑法103条)が成立します。犯人蔵匿罪と犯人隠避罪の法定刑は同一であり、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。


 本件の場合、無免許運転に関わった事故車両の所有者を隠避した(犯人の発見を妨げた)ことが問題となっています。


 教唆(刑法61条)とは、正犯を唆して犯罪を実行させた者(正犯に犯罪を行うように働きかけて実行させた者)に成立する犯罪です。


 本件の場合、弁護士が無免許運転を行った者に対し、事故車両の所有者を隠避するよう唆したことが問題となっています。


 なお、犯人隠匿や犯人隠避をするように犯人・逃走者自身が依頼をした場合、犯人・逃走者自身に犯人蔵匿罪・犯人隠避罪の教唆が成立するか議論がありますが、判例は同教唆が成立する見解を取っています。


 犯人が身内や親友であった場合、匿いたくなる気持ちも分からなくはないですが、きちんと処罰を受けることが本人の為になるのではないかと思います。

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2018.10.16更新

 10月に入って寒い日が増えてきました。風邪を引かないように皆様もお気を付けください。


 各都道府県には弁護士会という組織があり、弁護士は弁護士会に所属することが義務付けられています。そのため、日本には弁護士会に所属していない弁護士は存在しません。


 福岡県の弁護士は、福岡県弁護士会という団体に全員加入しており、弁護士が支払う会費により弁護士会の活動は成り立っています。もし会費の支払いを滞納してしまうと、除名処分となってしまう場合があります。


 弁護士印の印鑑登録証を発行してもらったり、各種研修を受講するために弁護士会館まで出向くことが多々あります。福岡の弁護士会館は赤坂の裁判所跡地にまだ残っているため、「弁護士会館までどうやって行こうか・・」と毎回迷ってしまいます。(六本松から赤坂までは直通の電車、地下鉄はありませんし、裁判所跡地には車の乗り入れができません。)迷った挙句、西鉄バスに乗っていくことが多いです。


 今年の8月に裁判所が赤坂から六本松に移転したのに続いて、来年には弁護士会館も六本松に移転する予定で着々と工事を進めています。


 立派でお洒落な弁護士会館に生まれ変わるようですので、竣工を楽しみにしたいと思います。http://www.fben.jp/

投稿者: 弁護士 天野広太郎

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