弁護士ブログ

2019.12.23更新

 今年もあと一週間ほどで終了です。皆様にとって素敵な一年となりましたでしょうか?


 私は、今年6月から福岡商工会議所ビジネス倶楽部の(下っ端)幹事を務めさせていただいたり、初めてヨーロッパに行ったりして、色々な経験をさせていただいた一年でした。


 来年も様々なことに挑戦して、自分なりに頑張りたいと思います!

 



 本日、裁判所のホームページにて、改定された養育費・婚姻費用の算定表が掲載されました。

 

 裁判所ホームページURL 

 http://www.courts.go.jp/about/siryo/H30shihou_houkoku/index.html


 従前の算定表と比べて、全体的に養育費・婚姻費用の金額が増額しています。


 例えば、養育費を支払う側(男性が多い)の給与収入が500万円、養育費をもらう側(女性が多い)の収入が0円の場合、従前の算定表どおりであれば養育費の相場は月額5.5~6万円です。それに対し、改定後の算定表では養育費の相場は月額6~7万円程度です。相場が月額5000円~1万円程度、増額しています。


 親であればかわいい子供のために、習い事をさせたり、私立学校に通わせたり、なるべく出費を惜しみたくないと思います。


 実際に子育てをするには、多くのお金や時間が掛かることを考慮すれば、養育費・婚姻費用が増額されたことは良いことだと思います。


 離婚しても親子の縁は切れません。離婚しようが、親は親です。


 責任感のある親御さんが少しでも増えてほしいと思います。



 年末年始のお問い合わせは、以下の連絡先までいただければと存じます。2020年もよろしくお願いいたします。


 TEL 050-5286-5461   amano@o-wakaba.com

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2019.11.05更新

 11月に入って秋めいてまいりました。今月はフルーツ狩りと牡蠣小屋に行きたいと思っております。


 異業種交流会等で他の職種の方々と話していると、とても高い確率で「先生の専門分野は何ですか?」と質問を受けます。


 私は、受任する分野を絞っているわけではなく、ご依頼を受けたものは基本的に何でも受けるいわゆる「町弁」です。ですので、上記の質問に正確にお答えするならば、「専門分野はありません。」との回答になってしまいます。


 しかし、それではとても素っ気ないお答えになるため、「債務整理分野を得意にしています。」と答えることが多いです。


 私にご依頼いただいている事件の4割程度は債務整理事件であり、その大半が破産事件です。ですので、債務整理案件は比較的得意だと思っています。


 福岡の弁護士の場合、各々得意な分野を持ちつつも、その他の事件もこなせる先生が多いと思います。


 ですので、「その先生は何が専門だろうか?」などとお気になさらずにご相談いただければよいと思います。

 私にも分野関係なく何でもご相談ください。

コスモス

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2019.10.29更新

 10月はラグビーW杯や日本シリーズなどスポーツをみて、大いに楽しみました。日本シリーズはもう少し競った試合だと良かったですが、工藤監督の胴上げが見られたので良かったです!



 最近、税務申告が話題になっていますが、学生さんやサラリーマンなど税務申告をしたことがない方々には、何が問題なのかピンと来ない話かもしれません。


 私を含めて弁護士は基本的に自営業者ですので、毎年2月か3月に前年度の所得について、確定申告書を提出しています。


 自営業者になるとき、税務署に開業の届出をしなければならないのですが、その届出をした後、税務署から確定申告講習の受講案内をいただきます。


 私も3年ほど前に講習を受けまして、そこで教わった申告方法にしたがって確定申告をしています。


 弥生会計などの優秀なソフトを使えば、自分で確定申告することも十分可能ですが、無勉強ではさすがに難しいと思います。


 税理士さんにお願いすると結構な費用がかかるため、依頼までのハードルが高いのも分かります。


 ただ、納税は国民の三大義務の一つですので(憲法30条に規定あり)、確定申告の必要のある方は税理士さんに依頼してでも確定申告するようにしてください。

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2019.07.20更新

 今年の夏はあまり暑くなく、とても快適に過ごしています。熱中症のニュースが出ていないのは、とても良いことだと思います。



 最近、携帯電話を操作しながら運転して、交通事故を起こすケースが問題になっています。


 このように運転とは関係のない行為をしながら運転することを「ながら運転」といいます。

 

 令和元年5月28日、道路交通法が改正され、「ながら運転」も処罰されるようになりました。

 

 運転中に携帯電話を操作するなど「ながら運転」をした場合は、6月以下の懲役または10万円以下の罰金、「ながら運転」をして交通の危険を生じさせた場合は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるようになります。


 令和元年12月1日までに、この罰則が適用されるようになるとのことです。



 また、「ながら運転」の行政罰も厳罰化され、携帯電話使用の違反点数は3点、反則金1万8000円(普通車の場合)となります。そして、携帯電話使用により交通の危険を生じさせた場合の違反点数は6点となります。

 

 こちらも令和元年12月1日までに、この違反点数、反則金が適用されるようになるとのことです。

 

 

 交通事故を起こしてしまった場合、加害者は3つの責任を取らなければならない可能性があります。


 一つは、被害者の通院費、慰謝料など民事上の損害賠償責任です。
 二つ目は、上で述べた懲役、罰金の刑事罰です。
 三つめは、上で述べた違反点数、反則金の行政罰です。


 「ながら運転」をすると、大きなペナルティーを科される可能性がありますので、絶対にしないよう心がけましょう!

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2019.06.06更新

 暑い日が続いておりますが、皆様体調を崩されていないでしょうか。


 私は、仕事で外出するとき以外、なるべく外に出ないようにして対策しております。

 

 近頃、高齢者の交通事故が問題となっています。運転者がわざと起こしたわけではなくても、被害者の生命を奪ってしまう交通事故は何とかして防がなくてはなりません。


 そのような交通事故を防ぐためには、高齢者から運転免許証を取り上げてしまう方法が考えられますが、運転免許証を取り上げることは憲法上許されるでしょうか。以下、私見を述べさせていただきます。

 



 憲法上、国民には移動の自由が保障されています(憲法13条、22条参照)。そして、人は自由に移動した場所で様々な体験をすることで、人間的に大きく成長できるため、移動の自由はとても重要な権利といえます。


 高齢者の中には、長距離の徒歩移動が困難であったり、公共交通機関のない場所に居住されている方も多くおられます。


 高齢者の方から運転免許証を取り上げることは、高齢者の移動の自由を制約することになります。

 



 他方で、憲法上の権利(移動の自由を含む)には、「公共の福祉による制約」が課されています。「公共の福祉による制約」とは、自己の権利は、他者の権利を侵害しない範囲で認められるに過ぎず、他者の権利を侵害するのであれば、その権利を制約することも許されるという意味です。


 したがいまして、高齢者が運転をすることで他者の権利(生命・身体等)を侵害するのであれば、高齢者の運転を制約することも許されます。


 例えば、道路標識の意味が理解できていない高齢者や反射神経が鈍り歩行者の飛び出しに反応できないような高齢者からは、免許証を取り上げてもよいのではないかと考えます。


 問題はそのような運転能力の欠如をどうやって判定するかです。免許更新時にきちんと長時間かけて路上での実技検査を行う、免許の更新期間を1年に短縮するなどの対応策が必要だと思います。


 殺人事件であっても交通死亡事故であっても、人の命を奪ってしまう点ではまったく同じです。逆走事故を行うような明らかな運転不適格者は運転できないよう、早期に対策すべきだと思います。

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2019.05.12更新

 今日、福岡は夏日になるようです。皆様、熱中症にお気を付けください。

 

 ニュースなど見ていると、逮捕された方々は「○○容疑者」という名称で呼ばれることが多いです。

 

 そして、容疑者に似た言葉で「被疑者」という言葉があります。

 

 容疑者と被疑者はどう違うでしょうか?

 

 

 刑事訴訟法という刑事裁判に関するルールが定められている法律では、公訴提起される前の犯罪の嫌疑がある者を「被疑者」と呼んでいます(刑事訴訟法37条の2等)。


 なお、取り調べが完了して公訴提起された者を「被告人」と呼んでいます(同法60条等)。


 そして、刑事訴訟法には「容疑者」という用語が全く出てきません。


 「容疑者」という用語はマスコミ報道で使われることが多く、「被害者」と「被疑者」の音が似ていて聞き手が混同しやすいことから、「容疑者」という呼び名を使用しているそうです。


 先日、GW休暇がありましたが、GW休暇は警察署等で身体拘束されている被疑者、被告人には全く関係がありません。GW休暇中も身体拘束や捜査は続きます。


 そのため、刑事弁護人も、長期休暇中に被害者との示談交渉や被疑者、被告人との面会(「接見」といいます)を行う必要があり、その点で、刑事事件は民事事件より大変かもしれません。


 ただ、私個人としては、スピーディーな対応を求められる刑事事件は好きな部類に入ります。

 

 


 逮捕、勾留されて長期の身体拘束を受けると、人生そのものが大きく狂ってしまう可能性があります。私はそのような方々を多く見てきました。


 皆様には、犯罪とは関わりのない健全な人生を歩んでいただければと思います。

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2019.05.10更新

 長かったGWが終わり、少しずつ暖かくなってきました。

 

 皆様はGW十分に楽しまれたでしょうか?

 

 私は、GW10日間のうち3日ほど仕事をして、残りはなるべく人の多いところを避けてゆっくりしていました。

 

 

 

 私は、テレビドラマを毎クール1~2つ程度視聴するのですが、4月からは「私定時で帰ります」を観ています。

 

 いつもは「リーガルハイ」「99.9」などの弁護士ものを観ることが多いです。

 

 私は社会人になってからずっと法律事務所で働いていますので、企業勤めの方々が実際に勤務されているところを見る機会がほとんどありません。

 

 司法修習中に裁判所や検察庁の方々の仕事は見させていただきましたが・・。

 

 

 「私定時で帰ります」を観ることで、現在の労使関係の問題点を学べればいいなと思いながら、毎回観ています。(単純にお話としても面白いです。向井理がとてもかっこいいですね!)

 


 現在日本では「働き方改革」が行われていますので、労働法の改正についてきちんと勉強していきたいと思います。

 

カメ

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2019.03.11更新

 年々花粉症がひどくなっている気がします・・。皆様は大丈夫でしょうか。


 先日、最高裁にて、離婚に伴う慰謝料に関する(法曹界では)注目の判決がなされました(平成31年2月19日 最高裁判所第三小法廷判決 平成29年(受)第1456号)。



 問題となった事案は、「平成21年6月頃、夫がAと不貞行為に及ぶ→平成22年5月、妻が夫とAの不貞関係を知り、夫とAは不貞関係を解消→平成26年4月頃、長女が大学進学したのを機に夫婦は別居→平成27年2月、夫婦の離婚が成立→その後、妻が不貞相手Aに対して、慰謝料請求を行った」というものです。


 妻の不貞相手Aに対する慰謝料請求は認められるでしょうか。


 この事案について最高裁は、「夫婦の一方は、他方と不貞行為に及んだ第三者に対し、特段の事情がない限り、離婚に伴う慰謝料請求をすることができない。」と判示しました。


 そして、不貞に及んだ第三者に対して離婚に伴う慰謝料請求をなしうる「特段の事情」は、「当該第三者が、単に夫婦の一方との間で不貞行為に及ぶにとどまらず、当該夫婦を離婚させることを意図してその婚姻関係に対する不当な干渉をするなどして当該夫婦を離婚のやむなきに至らしめると評価すべき」場合に限って認められると判示しています。


 この判決で示された「特段の事情」の範囲はかなり狭く、不貞相手に「離婚に伴う」慰謝料を請求することのハードルが上がったように感じられます(あくまで私見です)。

 



 なお、同判決は「離婚に伴う」慰謝料について述べたものであり、妻の不貞に及んだ第三者に対する「不貞」慰謝料の請求を妨げるものではありません。


 ただし、不貞慰謝料の根拠となる不法行為に基づく損害賠償請求権には請求期間の制限があり、「被害者が損害及び加害者を知った時から3年間」のうち権利行使しないときは時効によって消滅します(民法724条)。


 上記の事案の場合、妻が不貞を知ってから3年以上が経過していますので、妻の不貞に及んだ第三者に対する「不貞」慰謝料請求権は、既に時効消滅している可能性があります。



 上記判決も踏まえまして、不貞に及んだ第三者に対しては、速やかに慰謝料請求を行うのが得策だと思います。


 不貞問題でお悩みでしたら、いつでもご相談ください。

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2019.03.05更新

 今年は花粉の飛散量がとても多いようで、私も花粉症に苦しんでいます(特に早朝です)。加湿したり鼻うがいをするなどして、何とか集中力を切らさず仕事をしております。



 交通事故に遭った被害者様の中には、しばらく休業を余儀なくされる方々も多くおられます。そのような方々は、毎月の生活費をどうしたらよいのだろうか?と不安に思われるのが通常です。毎月の生活費はだれに対して請求することが可能でしょうか。


 まず、交通事故が労働災害である場合、労災補償を受けられる可能性があります。交通事故が労働災害でなくても、有休を取得すれば、有休期間中の給与を受けることは可能です。


 また、交通事故の加害者(又は加害者の加入する自動車損害保険会社)に対して、休業損害の支払いを請求することができます。毎月の生活費に窮するようであれば、加害者の加入する保険会社に対し、毎月給与相当額を内払金として支払うよう交渉していく方法もあります。


 加害者が無資力な上に保険未加入であると、被害者がだれからも損害の補填を受けられない危険があります。運転技術に自信があったとしても自動車を運転する以上は、「被害者のため」に任意保険に加入すべきだと私は思います。

投稿者: 弁護士 天野広太郎

2018.12.03更新

 12月に入りまして、2018年も終わりが近づいてまいりました。今年は事務所の移転など色々と変化があり、良い一年だったのではないかと思っています。仕事納めの12月27日までしっかりと頑張ります。


 相続問題のご相談において、「遺言書を残したいのですが、どのようにすればよいですか?」と質問を受けることがあります。このとき、私は公正証書遺言を作成することをお勧めしています。

 

 「公正証書遺言」(民法969条)とは、公証役場で公証人及び証人2名が立会いのもと作成する遺言です。

 

 公証役場は日本各地にあり、福岡市内には中央区(福岡公証役場)と博多区(博多公証役場)の2か所に設置されています。

 

 公正証書遺言を作成するメリットとしては、


①遺言書の有効性が認められやすいこと(公証人及び証人が立会いのもとで作成された公正証書遺言の有効性を覆すことはかなり難しいです)


②「検認」(民法1004条)の手続きが不要となること
などが挙げられます。

 

 「検認」とは、遺言書の保管者が被相続人の死亡後に家庭裁判所へ遺言書を提出して、遺言書が有効であることを確認する手続きのことです。

 自筆遺言書を作成した場合、原則として検認の手続きを行う必要がありますが、公正証書遺言であれば検認の手続きを行う必要がありません(民法1004条1項、同2項)。


 自筆遺言書に検認手続きが必要なことを知らない方は多いです。これを機に覚えておいていただくと役に立つと思います。


 また、遺言書の検認をせずに家庭裁判所以外で開封した者は、5万円以下の過料に処するという規定もありますので、くれぐれもお気を付けください(民法1005条)。


 これは余談ですが、法律関係者は、遺言書のことを「いごんしょ」と呼びます。また、競売のことを「けいばい」と呼んだりします。(なぜそのように呼ぶのか私にはわかりません。)

 相続についてお悩みの方は、いつでもお気軽にご相談ください。

投稿者: 弁護士 天野広太郎

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