2022.05.26更新

報道によれば、2022年5月25日、サカイ引越センターが引っ越しの際に預けた桐ダンスを紛失したとして、大阪地裁は同社に300万円の賠償命令を命じる判決を言い渡したとのことです。

 

運送人(引っ越し業者)と荷送人(引っ越しする人)との間の契約については、商法に規定されており、以下のような規定があります。

 

(運送人の責任)
第575条 運送人は、運送品の受取から引渡しまでの間にその運送品が滅失し若しくは損傷し、若しくはその滅失若しくは損傷の原因が生じ、又は運送品が延着したときは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

ただし、運送人がその運送品の受取、運送、保管及び引渡しについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。


(損害賠償の額)
第576条 運送品の滅失又は損傷の場合における損害賠償の額は、その引渡しがされるべき地及び時における運送品の市場価格(取引所の相場がある物品については、その相場)によって定める。

ただし、市場価格がないときは、その地及び時における同種類で同一の品質の物品の正常な価格によって定める。

 

上記575条、576条によれば、引っ越し業者が運送品を壊したり、紛失してしまったとき、引っ越し業者はその運送品の市場価格を弁償しなければなりません。上記判決はこの条文に基づいて下されたものだと考えられます。

 

 

しかしながら、運送人が常に全額賠償をしなければならないとすれば、運送人にあまりにも酷ですので、商法は以下の特則を設けています。

 

(高価品の特則)
第577条 貨幣、有価証券その他の高価品については、荷送人が運送を委託するに当たりその種類及び価額を通知した場合を除き、運送人は、その滅失、損傷又は延着について損害賠償の責任を負わない。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 物品運送契約の締結の当時、運送品が高価品であることを運送人が知っていたとき。
二 運送人の故意又は重大な過失によって高価品の滅失、損傷又は延着が生じたとき。

 

上記577条の規定により、運送人は高価品であることを知らなければ、運送人が軽微な過失で損害を与えても、賠償責任を負わないことになります。

 

荷物の中に高価品がある場合は、必ず引っ越し業者に伝えるようにしましょう!

 

 

実際に私も似たような裁判を経験したことがありますが、そもそもそのような運送品があったかなかったが争いとなり、運送品が存在したことが立証できていないとして、引っ越し人に不利な和解となりました。

 

運送品が壊れたり、紛失した場合に備えて、引っ越し前にダンボールの中身や家具家電の写真を撮っておくことをお勧めします!

 

 

なお、私はサカイ引越センターさんを利用して引っ越ししたことがありますが、担当の方の話し方や引っ越し作業がとても丁寧で、非常に感じのいい会社だな~と思いました。

決してサカイ引越センターのアンチではないことを最後に述べさせていただきます。

投稿者: 福岡パシフィック法律事務所 弁護士天野広太郎

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